●おすすめ図書紹介「アンデス登攀紀」
超一級の登山家であるエドワード・ウィンパーが1879年12月から1880年7月までエクアドルに実地調査をした記録の翻訳書。ウィンパーは高地における人間の耐久性・慣性化の体験調査ために世界の考えられる高地の中で社会情勢等にも制約を受け、エクアドルを調査対象とした。ウィンパーはピチンチャ(4,794m)、チンボラソ(6,310m)、コラソン(4,791m)、コトパクシ(5,897m)、アンティサーナ(5,758m)、カヤンベ(5,790m)、カリワイラソ(5,028m)、コトカチ(4,939m)、サラワルク(4,676m)とエクアドル内にあるアンデス山脈中の高山に悉く登頂している。この「アンデス登攀紀」がウィンパーの代表作である「アルプス登攀記」よりも優れていると言われるのは、体験時期が人生の脂が乗り切った40代であったこと、また10年もの歳月を掛けて書き上げたことが大きいと思われる。
「アンデス登攀紀」エドワード・ウィンパー 著/大貫良夫 訳
(原書タイトル「Travels amongst the Great Andes of the Equator」)
仕様:上・下巻/各305・270ページ
定価:800円(税別)
発行:岩波書店(2004.9 第1刷発行) |